「うのはなくたし」
雨の名前は、なんと美しいのだろうか。
美しいものは「音」もよい。
あまつさえ、どしゃ降りの叩きつけるような雨ですら。
蛇の目に、
ぼたぼた ぼつん
と当たる音。
窓硝子に、
パラパラ
ばらばら
バチバチ
と次第に強さを増していく音。
大きな傘の下で、
さわさわさわ
と 柔らかく撫でていくような音
一緒に聴いてくれる人が傍にいてくれると
なおよい。
片方の手は傘の柄を持っているので、
歩きながらだと、
手を繋ごうにも繋げない。
腕を組んだら、
傘を持つのに不都合だ。
だので、
一緒の傘に入ったならば、
立ち止まって、
しばし雨の音を楽しむのがよい。
わたしの鼓動が聞こえないくらい、
少し強い雨の方が
なおよい。
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