旅と旅行のちがい


先日、とあるワークショップへ行った時のこと。

わたしの話を聞いてくれていた他の方が、

先ほどから「旅」と言っていますが「旅行」とは違うんですか?

と、問う。



どちらも好きだけれど、
それぞれに持つ感覚は大いに異なる。



わたしにとってはですが。

旅行 : 必然を楽しむ/旅 : 偶然を楽しむ
そんなイメージ。



旅行へ行くときは、ここへ行く!とか、ここで食べる!とか、ここに泊まるとか、
出発前に大抵色々決まっている。

そのプラン立ても楽しいものだ。



旅をするときは、ほぼ行き当たりばったりで、
訪れた先で、その時の感覚で決める。

何が起こるかわからない。それがまた面白い。



少し、調べてみると。


TripとTravel、Journeyの違い



英語の場合はどうだろう。
旅や旅行を意味するTripとTravel、Journey。


ロングマン英英辞典より

Tripは “a visit to a place that involves a journey, for pleasure or a particular purpose” 
と定義されています。
比較的期間の短く目的のある旅行のニュアンス。


Travelは “to go from one place to another, or to several places, especially ones that are far away” と定義され、

Tripよりも長い期間の旅行を意味します。



Journeyは “an occasion when you travel from one place to another, especially over a long distance” と定義され、ニュアンス的には「目的地までの移動(道のり)」となります。

”Life is a journey”のように、旅から得る成長など、

プロセスを重視する意味の比喩的な表現として使われることもあります。

 

ちなみに、Journeyの第二義は “a long and often difficult process by which someone or something changes and develops” 

意訳すると、「状況が変わり、発展する、長くて困難なプロセス」となるので、

状況が変わってゆく様子に偶然性が含まれるイメージでしょうか。




ふむ。やはりそれぞれニュアンスはずいぶんと違うように感じる。





たとえば誰かと行くのなら



その相手がどんな人かも大切。



旅行の場合、決まったことを楽しむ人だろうし、

あんなことしたい、こんなことしたい、などと

何かを一緒に楽しむ人。



旅の場合は、まったく反対で。
決まっていないこと、ハプニングを楽しめる人だろうし、

わたしの場合、誰かと行っても現地解散したりするので、ひとりで過ごせる人というのも重要。



旅行に誘うなら〇〇さん、旅をともにできるのは◇◇さん、どちらでもOKな人もいる。


旅と旅行では
得られるものがまったく違うのである。


旅は毎日の日常でも可能。



いつもとは違う道で家まで帰ったり、

本を読むために仕事帰りにお気に入りの喫茶店へ行ったり、

いや、出かけずとも、

朝いつもより少しだけ丁寧に珈琲を淹れる時間が旅になる。



わたしにとって旅とは、

自分自身とまだ知らない世界の外側とを

繋げていくようなものかもしれない。



次はどこへ旅しようかと考えていて、
インドかなと友人を誘ってみたら、お腹壊すから無理、と。

彼女には「旅行」を提案するべきだったのね、
と気がついたのである。


日々の音

大人のための絵のない絵本。 日常と非日常のはざまにあるふとした瞬間を音にする。 心を奏でていくと、世界はこんなにも美しくやさしい。 大人のあなたへ、ココロにまばたきをお届けします。

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