南米ペルーの旅に寄せて
旅に出たい、ここではないどこかへ。
人は何のために旅に出るのか?
旅の魅力が日常から離れることだとすると、
たとえいっときであれ、一切を失った自身に残されているのは、
自分自身と鞄の中身のみで。
旅では、記憶や知識や体力や社交性といった目に見えないものを含めた、
手持ちのものだけがその人を支えてくれる。
誰しもが経験あるだろう(と思われる)、
ふいに自分がどこにも属していないように感じられ、
寄る辺がなく子供じみた感情におそわれ
ほんの少し感傷的になる。
それでも、丸裸のわたし自身にただ付き合う。
そのことが、わたしには好ましく必要で。
それを確かめるために、
わたしは旅に出るのかもしれない。
ペルー・アマゾン川のほとりより
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