わたしはわたしであることを諦めない、という話大抵の人が毎日、誰かしらの話を聞き、話をしている。日常のたわいもない話から、相談事まで様々に。さて、話を聞くとして。知り合い同士、友人同士である場合、自分の価値観に沿って、つい、「ああしたらどう?こうしたらどう?」「わたしはこうしている」などと、(多分)つい良かれと思って、(きっと)親切心で言ってしまうことがあるのではないだろうか。ところが、他者からのアドバイスは、お門違いなアドバイスになってしまうことも多い。 今まで本人から色々聞いてきてるから…長い付き合いだから…相手のことを分かっているつもりでいたとしても、本人がそう考えるに至った事の次第を本人以上に分かるわけもなく。自分が置かれている状況や気持ちは、どれだけ言葉を尽...31Oct2023つなげる日々の音
「どうせ…」は「どう生きるか」に続く、という話人生のもっとも苦い瞬間へ旅することそこに甘さを見出すなぜなら甘さはあなたが願いさえすればどこにでも見つかるものだから。日々生きていれば、「どうせ〜」という諦めの言葉、感情、場面に出会う。対象は部下に、上司に、会社に、親に、子供に、パートナーに、そして自分自身に…様々で。諦めようが諦めなかろうが、なんとか折り合いをつけて、「どうせ」の対象と付き合い続けると。「あーもうこういうのは嫌だ」「こんな思いしたくない」「この人イヤ、この環境イヤ」「こんな自分がイヤ」なんて気持ちになったりする。年や経験を重ねたり、セミナーやセッションを受けたり、して、「どうせ」を手放してうまくいくようになることもある。それでも、いつの時代から引きずっているのか?...29Sep2023つなげる日々の音
ファンキーでグルーヴィーな気分でヨルダンのホテルにて遊牧民族に憧れがある。(小学校の国語の教科書に載っていた『スーホーの白い馬』が大好きだ)本を読みはじめると没頭しすぎてしまうので、途中で降りなきゃいけない電車に乗る時は短編集とかエッセイにしている。『旅ドロップ』江國香織著この中の「平安時代の旅」という文章の、平安時代の人々の旅の仕方に触れられているところ。___いい景色を眺める、ということへの彼らの憧憬と情熱と偏愛ぶりは、ただごとではない。(中略)日常生活のなかでも、何より景色に心をふるわせ、桜が散ってしまっただけで大泣きしたりする。刹那的な人々なのだ、シュールなまでに“いま”を生きている。(中略)おもしろいのは、家や土地やお墓には執着を持たなかった...10Sep2023つれづれ日々の音
すべて何十億分の一の水玉なのです。多様性についてずいぶんと言葉としては浸透してきた“多様性”ですが、実際にはどれくらいの人々の中に、日常の中に、溶け込んでいるのでしょうか。もしかすると、多様性(diversity)あるいは包摂(inclusion)が、都合よく「何でも良し、何でもアリ」という風潮に使われて、辟易している方もいるかもしれません。“多様性”を謳う人が、自分の価値観以外をなかなか受け入れられずにいる場面にも時折、出会います。「皆が良いと言っているから」「すごい人が良いと言っているから」と流されていると本質を見抜けずに翻弄されて、自分の心が見えなくなります。そして、多様なようでいて、実はAかBか、正か悪か、の選択肢しかないような情報たちに、本質を見抜くことが...30Aug2023つれづれ日々の音
愛しき手と別れと『西の魔女が死んだ』という小説がある。読んでいないので、詳しいところはわからない。けれども、きっと祖母のことだろうとなんとなく見てとれる。共働きの父母に代わり、私は祖母に育てられた。確かに祖母は、魔女のようで。どうやっても見つからない探し物も、祖母が探すとあっという間に見つけてしまうし、その手から魔法のように、なんでも作ってくれた。祖母の作るもので特に好きだったのは、素朴なパンで。小麦粉とイーストに艶出しの卵液がうっすらと塗られただけのラグビーボールみたいな形をした、薪とダッチオーブンで焼いた素朴なパン。実家を出てからも祖母のパンを食べたくて、帰ることもあったくらいに好きだった。02Jun2023つれづれ日々の音
自己満足と正義と矜持のはざまに正しさとは一体何であろうか。人は人に勝手に期待して、勝手に失望する。世間には常に「世界が自分たちに都合のいいものであってほしい」という大衆の欲望が渦巻いている。誰しもが自分の正義を持っていて、この世で暮らしているように見え。朝の混雑する電車から、人を押しのけてもわれ先にと降りようとしたり(お急ぎなのね…)、団子のように固まって出入口をふさいでいる子どもたち(一瞬たりとも友達と離れたくないのかしらん…)。もはや、あの頑なさは正義だ。そんなこんなで、子どもですら「自分の正義」で生きている。23Apr2023つれづれ日々の音
「キレイゴト」で終わらせないためにわたしたちは、簡単に見失う。したいこと、好きなこと、得意なこと。本当に大切なこと。人は自身の“知っている”範囲で、見たいように見ているし、信じたいように信じている。思考であれ、行動であれ「べき」も「ねば」も、与えられたものだとしても、理由はなんであれ、自分でそれを選択しているのだ。いいも悪いもそういうレッテルをくっつけて、そう見ているにすぎない。13Apr2023POINTS OF YOU®︎つなげる日々の音
ただ、いまここを生きる意味「いま、この瞬間」と友達になると、どこにいようとあなたは「我が家」にいるような、平和な気分でいられます。ーエックハルト・トールようやく“マスク”のある生活に慣れたと思ったら、ちまたは、マスク不要でどうのこうのと。わたしたちは、常に変化を求められ、時代に適応していく必要に迫られ続けています。そんな日々に、自分自身のことは後回しにしがち。イライラやプレッシャーで浮き足立ち、やらなくてはならないタスクが多すぎて頭がパンパンに膨らみ、心がざわざわしたり。心にダメージを負って立ち直れない…と感じたり、ポジティブな励ましに笑顔を返せないくらい落ち込んだり。自分の心の状態に自分自身が気がつかないことすら、あるのです。起きている事、その要因が自分で...15Feb2023POINTS OF YOU®︎つなげる日々の音
本の世界は危険で、この世界をわたしは愛している乗り物に乗って、本を読んでいると永遠に目的地に着かなければいいのに。と思う。電車でもバスでも飛行機でも船でも。本を開くとそんな気になるので、ほんとうに危険だ。気がつけば、終点の駅で誰もいなくなった車内に取り残されていたり、滑走路に降りるどすん、という衝撃に驚いたり、到着を知らせる汽笛に慌てて荷物を片付けるはめになる。なので、降りてからの時間が決まっているとき、通勤電車とか、待ち合わせとか、歯医者の予約とか、は、本を読まないようにしている。(とは言え、電子書籍だとこうはならない。きっちりと、向こうの世界とこちらの世界は分けられていて、いつだって“現実”が手の中にある。)単行本より、文庫本の方が、より顕著に危険だ。本の重さを感じないので...08Feb2023たわむれ日々の音
引き継がれる価値だけ残されていく変わること、変わらないこと。気がつけば、立春も過ぎ新しい年も二月を迎えた。少し前まで、普段は行かれない長旅に出ていたのだけれど、ここ数年は実家で年越しをしている。田舎の年越しの準備をして、父とたわいもない会話をし、母と三度の食事の用意をするのも、ようやくこの歳になって好ましく思う。「変わること、変わらないこと」は、実家の炬燵の上に置いてあった冊子の1月のテーマで、父が寄稿した文章も載っていた。元編集者の父の書く文章は、子どもの頃から見慣れたものだけれど、彼がどう考え、どう生きているのか、を多少伺い知ることができる。(ついでに言うと父の字も書いたものも、好きだ)05Feb2023つれづれ日々の音
クリスマスは、立ち止まり、自分の周りにある大切なものについてじっくり考える機会をくれる。Christmas gives us the opportunity to pause and reflect on the important things around us – a time when we can look back on the year that has passed and prepare for the year ahead.-David Cameronクリスマスは、立ち止まり、自分の周りにある大切なものについてじっくり考える機会をくれる。それは、過ぎ去った1年を振り返り、翌年の備えをするための時。−デーヴィッド・キャメロン25Dec2022つれづれ日々の音