旅が好き
旅そのものも好きなのだけど
「旅」が纏う空気がすき。
どこに行こうかと旅行特集の雑誌をあれこれ眺めたり、ここのこれが観たいとか、気になっていたホテルに泊まりたいとか、あのお店のあれを食べようとか。
ひとり旅にしようか、それともあの人を誘おうか、現地の友人に会いに行こうかとか。
そして特に惹かれるのが、
空港や駅や港などの、旅人の行き交う場所の
あの妙に感傷を帯びた親密な空気。
その空間に身を置きたくて
むかし朝4時起きで空港で働いていたくらい。
旅に出ても、その場所の空港や駅に乗る予定の時刻よりも早く行って、行き交う人たちの、出会いや別れや、出迎えや見送りなんかを眺めたりする。
その場にいる人たちは、普段まったくわたしとは関係ないのに、なんとなく、「こんにちは」「さようなら」「ありがとう」「よい旅を」
なんて、声をかけたくなってしまう。
アナウンスの音、人びとのおしゃべり、ツルツルした床に響く色んな靴音。
すべてが綯い交ぜになって、まるでオーケストラのような喧騒。
ひとは繋がっているのだと思わせる。
まるで、そこここに神さまの足音が聴こえるよう。
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