たゆたえども沈まず


Fluctuat nec mergitur
たゆたえども沈まず


昨年は、私の人生の中で最も困難な年の一つでした。
全てのものが絶妙なバランスで存在しているのだと
思い知る日々。

生と死。痛みと喜び。塩と砂糖。私とあなた。


ずいぶんとひどく傷ついていることにも気がつかず、
ようやくバランスを取り戻すのに必死になった頃には
すっかり秋の気配がしていて、
それでもよく生きた年だった。


2024年も、もう春だ。


毎年作っているビジョンボードは、
何だかこれまでとは様子が違う。


どうやらわたしは脆さは正しい選択だと学んだらしい。
柔らかいままでいることがとても難しい世界では、
冷たくなるのはとても簡単だから。


昨年作った新たなコースメニューは、

それこそ自分の最も脆く、ともするとそれは絶望的な部分に、

親切にするためのセッションで、



ああでもない、こうでもないと構築するうちに、
自分を真ん中に置くと言うことを、
身をもって考えさせられた。

転んでもやっぱりわたしは貪欲だし、
きっとまたわたしの骨は
美味しくなっただろうと、
思う。
パリ市の紋章にはラテン語で
“Fluctuat nec mergitur”と書かれている。
「たゆたえども沈まず」。


意味は“揺れはするが、沈まない”
テレビ岩手が作成した大震災の10年間のドキュメンタリのタイトルでもある。


今日は、あの日から13年。



母の大船渡の生家は流された。

けれども、母が幼い頃に遊んだあの街は、今日も生きている。



わたしたちは、生きる。

できることは、それだけだ。

日々の音

大人のための絵のない絵本。 日常と非日常のはざまにあるふとした瞬間を音にする。 心を奏でていくと、世界はこんなにも美しくやさしい。 大人のあなたへ、ココロにまばたきをお届けします。

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