夏の弔い

半袖のシャツになったあなたを
見かける。


前に会った時には、
まだ長袖だったのに
と思うと

なんだかずいぶんと会っていないのだと

不意に目尻をぎゅっと絞られたような

気持ちになる。

はて、この恋に
どう決着をつけようか。

川上未映子 全て真夜中の恋人たち

主人公の恋の終わりは違う季節だったのに、
わたしには何故だか夏を感じさせる恋だった。

真夜中は、わたしには夏の記憶が多いからだろう。


報われないものを
いつまでも追い続けるほど
わたしの人生は長くない。

とはいえ、そうそう一度でも惚れたものに、
簡単に答えをつけられるほど
短くもない。


きっぱりと、諦めたらよいのだ、
理由をつけることを。

気がつかないうちに溶けてしまうアイスクリームのように。
溺れてしまえばいいのだ、
覚悟をもって。

夏の真夜中が
きれいさっぱり、弔ってくれる。


そしたら、また
アイスクリームを溶かすほどの
甘やかな時間がやってくる。


日々の音

大人のための絵のない絵本。 日常と非日常のはざまにあるふとした瞬間を音にする。 心を奏でていくと、世界はこんなにも美しくやさしい。 大人のあなたへ、ココロにまばたきをお届けします。

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日々の音

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