行きつ戻りつ
これやこの 行くも帰るも 別れては
知るも知らぬも 逢坂(あふさか)の関
ー蝉丸ー
小学生の頃、百人一首倶楽部の副部長だったことを
すっかり忘れていたくらい、
和歌はちーーっとも分からないのですが。
わたしはこの蝉丸の歌が不思議なくらい、
とても好ましいのです。
行く人
帰る人
ひっきりなしに
知った人も
知らない人も
ここを境に 混ざり合う
めぐりあっては
またゆきすぎる
日本文学全集 河出書房新社
百人一首 小池 昌代 訳
わたしなら、なんと現代語訳にするかな…
毎日歩いている道
不意に突然
ここをどれだけの人が通ったのだろうと思う
笑顔の人、涙の人、怒っている人、
何か考えごとをしているような人、
何かをわたしに伝えたそうな人、
実際に伝えてくれた人、
愛してくれた人、
別れた人…
もう二度と会うこともないかもしれない人にも
わたしの道に交じってくれてありがとうと
そして
サヨナラマタイツカと
なんというか。
わたしにはこの囚われていない、
空気がちょうどよいのです。
人は、それぞれ生きたいように生きている。
時に交差したり、時に離れたり
なんとも
過分な期待がない感じ
ただ、その瞬間にある感じ
そんな様がとても好ましいのです。
0コメント