サハラの風に吹かれて


2020年の旅のはじまりはモロッコから。


どうしても行きたいと思っていたところのひとつ、
青いまちシャウエンのメディナとサハラ砂漠。


青いまちシャウエンは、
成田から飛行機を乗り継いで20時間カサブランカから、さらに車で370km、6時間近くかかるモロッコの北にあるまち。
シャウエンは、正式名称を「シェフシャウエン(Chefchaouen)」といい、モロッコ北部リーフ山地の中腹に位置しています。


すっかり真夜中に着いたので、
翌朝の部屋の窓からの目の覚めるような青い世界には、ため息まで青いかと思うほど。


家々の壁が青く染められた光景は、
実際にその場に行くと写真で見る以上の美しさ。


街中の壁が青く塗られている理由は諸説ありますが、

よく言われているのはスペインの支配を逃れここに定住するようになった

ユダヤ教徒にとって神聖な色であったというもの。



POINTS OF YOU®︎のカードのひとつに
こちらの扉と思わしきカードがあって。


どうしてもその扉をこの目で見たかったのです。


迷路のようなメディナ(旧市街)は、
どこを切り取っても絵葉書のような世界。


幻想的で、おとぎの世界に迷い込んだよう。


その青さに水の底にいるかのようだとも形容されていますが、ほんとうにプールの中にいるみたい。
金沢21世紀美術館のレアンドロ・エルリッヒの“スイミング・プール”の中に身を置いたようでした。


そして、この街の“人”と“猫”
人懐こくて、素朴で、絵本のなかの登場人物みたいに、なんとも魅力的。



なんだか夢のなかにいるようなひとときでした。



サハラ砂漠にて


There is nothing,but Everything is here.


青いまちを後にして向かったのは、
死ぬまでに一度はこの地に立ってみたいと思っていたサハラ砂漠。


あたり一面何もないところに立ったとき
わたしは何を感じるのでしょう。


世界一の迷宮都市フェズからアトラス山脈を越えて
車で10時間、メルズーカ村へ。
そこからさらにラクダに揺られ砂漠の中のキャンプへ。


サハラ砂漠はアフリカ大陸の北部に位置しており、南北1700kmにわたり、面積はアメリカ合衆国とほぼ同じぐらいの1000k㎡。
アフリカ大陸の1/3を占める大きさですが、砂一面の部分は全体の2割、残りは岩がゴツゴツしたような場所が大半を占めます。

メルズーガはアルジェリアとの国境付近にある砂漠の中のオアシス。さらにメルズーガから5kmほどにあるシェビ砂丘は幅5km、長さ50kmにわたる巨大な砂丘で高さは高いもので300mになります。


ラクダが砂を踏むジャクジャクとした音と
時折吹く風の音しか聞こえない静寂の中


まったく何にもない、砂丘の頂上に着いた時
ちょうど夕陽があたり一面をオレンジ色に染めていきました。


どこまでも遮るものがなく広がる空に
白く浮かぶお月さまと一番星、
オレンジから月明かりに照らされて
白く色を変えていく砂丘。


ここにはなんにも無いけれど、
刻一刻と表情を変えていくその様は、
この世のすべてがここにあるようでした。


There is nothing,but Everything is here.



サハラといえば『星の王子さま』を思い浮かべる方が多いようですが…


恥ずかしながら…わたしはこの旅に来るまで『星の王子さま』をちゃんと読んだことがありませんでした。


今回の旅に持ってきたのも、サハラ砂漠が舞台になっていることも知らずに、買ってから読まずにそのままにしておいたものを、ただ何となく鞄にいれたのです。


ベルベルのおじさんがキツネの足跡をおしえてくれました。


王子さまにサハラ砂漠で出会ったキツネが
教えた秘密


“こころでみなくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

かんじんなことは、目に見えないんだよ。”



砂漠の途中で駱駝の亡骸の側を通りました。


あと数カ月もすれば、
一片も残さずサハラの風になるのでしょう。


ここでこの物語を読めてよかったと思います。


ーーー

今回の旅も、たくさんの人との出会いがあり、
いつも助けられました。


長距離運転をイヤな顔ひとつせず、いつも紳士で笑顔のドライバーMuky 。

シャウエンで“扉”を探していると、お店をほったらかしてついておいでと扉まで案内してくれる絵葉書屋のおじさん。

英語の通じないカサブランカの小さなスーパーで、困っていないか?何が欲しいんだ?と地元のおじさんが声をかけてくれる。

迷宮都市フェズで迷い込んだ路地では、買い物には興味ないというわたしに、いいもの見せてあげるとタンネリ(皮のなめし工場)を見せてくれる青年。

フェズからカサブランカまで乗った列車で、重いスーツケースを棚に上げられずに思案していると、同じコンパートメントの旅人たちが何度も上げたり下ろしたり、コーヒーをご馳走してくれたり。


これだから、旅はやめられない。
こんな出会いがあるから、わたしは旅に出るのだと思います。


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シャウエンで泊まったかわいいリヤド
Casa Perleta 

素敵なインテリアも、親切なスタッフも、
お宿の隣の行列のできるパン屋さんの揚げパンと絞りたてのオレンジジュースの朝食も

おすすめです。



サハラ砂漠のキャンプ

簡易的なテントから暖房やスパまで完備された
ラグジュアリーな施設まで色々あります。
わたしの泊まったテントはこちら
シャワーとお手洗い(お湯は出ません)は共同。
テントの中には電源もありました。
暖房は無いので、夜は寝袋とカイロと毛布にくるまって寒さを凌ぎます。
Wi-Fiは繋がったり繋がらなかったり。

快適に過ごしたい方はホテル棟の方がいいかもしれません。
CAFÉ DU SUD


POINTS OF YOU × VOYAGEのワークショップ

🧚‍♂️わたしを旅するPoints of You® vol.2
2020年2月8日(土) 
 ーNobody’ Perfect ー 誰も完璧ではありません

Somewhere beyond right and wrong,there is a field.I will meet you there.

善悪を超えたどこかに、フィールドがあります。
そこでお会いしましょう。

日々の音

大人のための絵のない絵本。 日常と非日常のはざまにあるふとした瞬間を音にする。 心を奏でていくと、世界はこんなにも美しくやさしい。 大人のあなたへ、ココロにまばたきをお届けします。

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