幸福に温度があるとしたら。
何度くらいがいいかなと、
ふと思う。
先日、こんな記事を読みました。
『マズローの欲求5段階説』は、
自己実現理論や、自己実現論などとも呼ばれ、
ご存知の方も多いかと思うので簡潔に。
アメリカの心理学者アブラハム・マズローが、
「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、
人間の欲求を5段階の階層で理論化したもの。
マズローが提唱した人間の基本的欲求を、ピラミッド階層にしたもので、
生理的欲求 (Physiological needs)
安全の欲求 (Safety needs)
社会的欲求 / 所属と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
承認（尊重）の欲求 (Esteem)
自己実現の欲求 (Self-actualization)
衣食住など基本的な欲求「生理的欲求」が満たされてはじめて、
安全を求め、そして人から好かれたい、
社会的に認められたいという欲求へ移行するのだと説いています。
幸福の温度
どれくらいの温度が心地よいのか、
きっと人それぞれで。
わたしにはこのピラミッドが、
高次といわれる上位に進むに従い、
ヒトの持つ生きる生命力が薄れていくように感じることがあります。
確かに、生きていくための「生理的欲求」が満たされていなければ、
それ以上のことを求める気持ちが湧かないことは理解できます。
こうしてわたしがつらつらと言葉を書けているのも、
そこが満たされて、それ以上の欲求を持っているからでしょう。
それでも。
古来、人間が持っていた「直感力」や「生命力」。
そんなものをそぎ落とし、
無いものを求め、在るものを見えなくし、
空洞を欲求で埋めようとしている。
わたしもその葛藤のど真ん中にいるのですが。
ピラミッドの頂点とされている自己実現欲求。
自己実現が満たされたら、人は本当に満たされるのでしょうか。
自己実現しても、なくならない欠乏感。
「もっと」を求めて、彷徨うわたしたち。
経済大国である日本が幸福度が低いとされるのはなぜなのでしょう？
マズローは晩年、5段階の欲求階層の上に、
さらにもう一つの段階があると発表しました。
それが、自己超越 (Self-transcendence) の段階。
自己超越者 (Transcenders) の特徴は、
1. 「在ること」 (Being) の世界について、よく知っている
2. 「在ること」 (Being) のレベルにおいて生きている
3. 統合された意識を持つ
4. 落ち着いていて、瞑想的な認知をする
5. 深い洞察を得た経験が、今までにある
6. 他者の不幸に罪悪感を抱く
7. 創造的である
8. 謙虚である
9. 聡明である
10. 多視点的な思考ができる
11. 外見は普通である (Very normal on the outside)
とのこと。
要は、「満たされている」
状態なのではないかと思いますが。
その満たされ方が、
物質的な即物的なものではない、のではないかと。
自身の幸福の温度をよく知っているのではないでしょうか。
比較を持たず、
自身の幸福を自ら作り出すという作意すら、
超えているのではないかと思う。
わたしの知る人で、
このステートにいる方がいます。
彼女は、
何というか、
本当に「愛」をこぼして歩いているような人で。
おそらく、本人は無意識だろうと思うのですが。
ふと見とめると、
彼女の「愛」が
真っ直ぐに、ただ純粋に、
わたしの中へ注がれてくるように感じます。
わたしへ、だけでなく。
存在するものすべてへ。
言葉を越えて、国境も、性別も、
時間すらも越えて。
彼女は何か特別な言葉を発する訳ではありませんし、
ましてや「神」や「仏」や俗に言うスピリチュアル的な存在でもありません。
（但し、スピリチュアリティを「神秘性」ではなく、「精神性」とするならば、
非常にスピリチュアリティだとは思う）
勝手な想像ですが、
うちにまったく葛藤を抱えていないか、というと
決してそうではないと思われます。
ただ、その時々の気持ちの温度を
そのまま、まるごと楽しんでいるように
思えるのです。
どんなステートにいようとも、
生きていくということは
色んなことがあるでしょう。
涙にくれることも、悲しくて仕方のないことも
起こるでしょう。
それでも、彼女は
その時々の幸福の温度の変化そのものを
慈しんでいるように見えるのです。
古来、人間が持っていた
「直感力」や「生命力」。
それは、マズローの言う6段階目が
ピラミッドの頂点にあるのではなく、
すべてのものがうちに取り込まれ、「繋げるチカラ」なのだと、わたしは思います。
わたしも、そうで在りたいと、
切に思います。
4コメント
2019.01.22 13:05
2019.01.22 13:01
2019.01.16 00:02