語感と五感語感①その言葉から受ける感じ。言葉が与える印象。ニュアンス。 「 -の微妙な違い」②言葉に対する感覚。言葉の細かい用法・意味の違いなどを区別する感覚。 「 -が鋭い」五感目・耳・舌・鼻・皮膚を通して生じる五つの感覚。視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚。また、人間の感覚の総称としてもいう。 「 -を鋭くする」ー三省堂 大辞林ー先日、知人が「美しい」「美味しい」と言う言葉について、書いていた。わたしは、「美しいもの」や「美味しいもの」が好きなのだが(いや、大抵の人はそうなのか?)、この「〜しい」と言うコトバのもつ、響き自体に惹かれているのでは…などと思う。「〜しい」で終わる言葉は、形容詞。・楽しい・おいしい・うれしい・苦しい・さびしい・くやし...23Jul2018つれづれ日々の音
贈りものをする時間贈り物が好きだ贈るのも、贈られるのも。いや、正しくは“贈り物をする”という行為が好ましい。相手の顔を思い浮かべながら、何を贈ろうか逡巡する時間がよい。この前、こんなのが欲しいって話してたなとか、これはきっと好きだろうとか、絶対買わないだろうけど驚かせよう、きっと好きなはずとか、去年は何を贈ったかしらとか。考えたり選んだりしている間にも贈る相手が側にいる。贈られたときも、その選ぶ行為をしてくれたことが嬉しい。旅先で見つけた絵はがき食いしんぼうのわたしへのおすすめのパン屋さんのレーズンバターサンドわたしは行かれなかった美術展のノベルティ色の好きなわたしに、100色の色えんぴつああ、この人の時間のなかに、いっときでもわたしをおいてくれたん...19Jul2018つれづれ日々の音
鬼宿の庭に遊ぶ久しぶりに、咽ぶように泣いた。閉じ籠める必要のない、なんとも気持ちのよい堰を切ったような。なんの粘度もない、自身から出ているのに畏れ多いが、神様に捧げる美酒のような雫。鬼宿の庭 佐野未央子子どもの頃、大晦日になると実家では、先ず父から五右衛門の風呂に入り身を清めた後、御神酒と鮑の器にのせた餅米を、家中のそこここにある神様へ供えて回る、決まりごとがあった。小さなわたしのお喋り相手は、庭の草花であり、飼っていた6羽のアヒルや池の鯉であり、屋根に腰掛けて見上げる星空であり、蛇苺のなる小川であった。09Jul2018つれづれ日々の音
夏の弔い半袖のシャツになったあなたを見かける。前に会った時には、まだ長袖だったのにと思うとなんだかずいぶんと会っていないのだと不意に目尻をぎゅっと絞られたような気持ちになる。はて、この恋にどう決着をつけようか。川上未映子 全て真夜中の恋人たち04Jul2018たわむれ日々の音